令和3年 選択Ⅱ-1-2

Ⅱ-1-2 回転する軸を支える機械要素として、すべり軸受の特徴と使用上の留意点を、
転がり軸受と対比して説明せよ。

解答例

すべり軸受の特徴と使用上の留意点

 すべり軸受は、軸と直接接触して摺動し、回転運動または往復運動を行う機械要素である。軸と点または線で接触するころがり軸受と比較すると、すべり軸受は面で軸を支持する構造を有しており、高いラジアル荷重や衝撃荷重に耐える特徴を持つ。また、ころがり軸受は内部にボールやニードルピンなどの転動体を有するのに対し、すべり軸受は単一素材で構成されるため、適用する軸径に対して外径を小さく設計できる。さらに、リテイナ等を必要とせず、ハウジングに圧入するのみで組み付けが可能であり、装置のコンパクト化に寄与する。一方で、すべり軸受はころがり軸受に比べて摩擦による動力損失が大きく、高回転用途には不向きである。また、圧入構造のため分解後の再利用は困難である。

 使用上の留意点として、往復運動用として使用する場合には、軸径に対して十分な支持長さを確保する必要がある。支持長さが不足すると軸が傾き、摺動不良や動作不安定を招くおそれがある。また、軸と軸受の芯ずれにも注意が必要である。特に、2本の軸を一体部品で連結して使用する場合には、軸の軸間および軸受ピッチを高精度で一致させなければならない。精度が不足すると偏荷重が発生し、焼き付きなどの不具合を招く可能性がある。